演劇ユニット エスセナ・セニョリータ「LOVE30~女と男と物語~」

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演劇ユニット エスセナ・セニョリータ
8回公演 「LOVE30~女と男と物語~」
演出 下町御来

三島ゆき「スパイス・イン・ザ・バスケット」
下町御来/山本光英(桜舟剣遊会)

サタケミキオ「結婚相談所」
麻生沙也花/屋敷有都(魔導演劇結社インポッシブル)

蓬莱竜太「兄への伝言」
森南初音/中島亮(桜舟剣遊会)

2017/10/14
(土)
富山県民小劇場オルビス

Part2も引き続きふたりだからこその視点で対談は続きます。フクイさんのお茶目!?な発言もしばしば。

のと「森南さんは間とテンポを作るのが元々すごく上手い。」
~兄への伝言~


フクイ
「とんかつ取り替えた」面白いワードだなって思って。

のと
やっぱり台本が上手いですよね。蓬莱竜太さん★1の台本がすごく上手くて。

フクイ
その言葉だけ聞いたら何のことか分からないんだけど、内容を見たら本当に的確に示してるね。ポイントを。そこが本当にキーポイントだったね。兄がそれを見てすぐ分かったんだろうね。で、しかも取り替えた本人が遠山さん…女性の方だった。いいオチだなー。これが兄だとダメなんだよね。

のと
その後の台詞にもありますもんね。「結局自分で選んだんだから。」なんか納得した、みたいな。

フクイ
なっち(遠山佐和子役の森南初音)の独特の間(ま)

のと
森南さんは間とテンポを作るのが元々すごく上手いですよね。

フクイ
本当、あの〝空白〟。

のと
怖くなりますもんね、普通の役者だったら。間が生まれるってことに。

フクイ
間を楽しんでる。お客さんに間を楽しませてるってことがよく分かる。

のと
本当、度胸ある人だなと思いましたよね。

フクイ
なっちに言ったんだけど…「〝なっち〟だね。」(笑)

のと
私も言いました、森南さんに。「最初の導入は森南さんじゃないなと思ったんですけど、パチンコのくだりから森南さんになってきて、〝森南さん〟でしたね。」でも最初から森南さんでも良かった。最初がすごく他人行儀な感じで。田舎にいるおばちゃんってどんどんおばちゃん化していくじゃないですか?なのに、おばちゃん感が全然無くて、綺麗なおばちゃんで。(遠山誠役の)中島さんがせっかく都会にいるって距離感を作ってくれてたのに、森南さんも距離感を作ってしまっていて。ズケズケ入っていっても、最初からパチンコのシーンの雰囲気でいけば良かったなって。

フクイ
それを言うなら、緊張してたんじゃない?って思ったけど。

のと
いやー、でも森南さん大体いつもあんな感じじゃないですか?いつもより早口じゃなかったから、落ち着いてるなと思って。内心はドキドキだったかもしれないですけど(笑)

フクイ
あの人意外とそうなんだよね。内心ドキドキだけど周りから見ると「本当に平然としてますねー。」って(笑)

のと
「そんなことないのよ、バクバクしてるのよ。」

フクイ
今、口調がすごく似てたね。

のと
こういう感じですよね。森南さん大好きなんですよ、私。

森南さんが気になってしょうがないの


フクイ
森南さんって昔から謎なの。

のと
謎ですか?

フクイ
エスセナ始めた当初から知ってる人なんだけど、その当初から謎なの。

のと
なかなか手の内を見せないってことですか?

フクイ
見せない。年齢不詳だし。下手すりゃ俺より年上?って。それはないんだけどね。

のと
怒られますよ、森南さんに。

フクイ
マズイ…!!それはないけどね!それはないんだけどね!それはないんだけどね!!(汗)

のと
三回言いましたね。(笑)

のと
「兄への伝言」も色んな人で出来そうじゃないですか?もうちょっと下の年齢で、まだ佐和子に未来があるっていう前提で、佐和子がやっぱりここに残るって決断をするのも印象深くなるかなぁ。

フクイ
でも子供が高校2年か3年だよね。それだと、それほど若い人だと無理だし。

のと
今回は40~50歳くらいの設定でやってたのかなって。それを30代半ばでも。高校卒業してすぐ付き合って結婚した計算だと、若くても。もう一度ギリギリやり直せるくらいの年齢で。そうすると、佐和子の葛藤も違ったのかなって。森南さんがここから出られる年齢じゃないって演じてましたけど。

フクイ
5歳くらい若ければ「なんで言ってくれなかったの?」って気持ちが全然違ったかもね。

――演劇関係者は(のとえみ含め)年齢不詳な人が多いですよね(笑)

 

のと「割と普通に好きって言えません?」

フクイ「自分がラブストーリーするならどうなんだろう。」


のと
今回の作品ってすごく恋愛観が出るじゃないですか?恋愛が絡むお芝居ってそこがすごく難しいなって思ってて。どう頑張ったってその人の恋愛観とか恋愛経験って出るから、めちゃくちゃ恥ずかしいだろうなって。

フクイ
普段どおりにプロポーズしてくださいとかさ、一番難しいよね。

のと
それは出来るんだけど、それをやれるかやれないかってまた別の話じゃないですか?それをオープンにして出せるか出せないかって(笑)すごく大きいなって。

フクイ
自分がラブストーリーするならどうなんだろう。

のと
告白のシーンはどう頑張ったって自分の告白の仕方になっちゃうじゃないですか。

フクイ
そうだね。

のと
そういう端々で「出るなぁ」っていうのがあって。そういう意味ではハードルが高い。自分の中で。

フクイ
恋愛観って考えたこと無かったけど…俺、好きな人には積極的に出来る。普通は、好きな人には積極的に出来ないって意見が多いと思うんだよね。だからうまくいかないっていうのはあると思うんだけど。

のと
もう一歩踏み込んでいれば、オッケーだったっていうね。

フクイ
えみちゃんの恋愛観は?

のと
え?なんですか?(笑)

フクイ
恋愛観(笑)

のと
えー(笑)この歳になってくると、割と普通に好きって言えません?逆に全然言わない方が恥ずかしい。言える大人になりたいって思ってたから。

フクイ
あー。

のと
「ありがとう」でも「ごめんなさい」でもそうなんですけど。そういう言葉がきちんと言える大人になりたいって思ってたから…。言った方が良いよね、もうそろそろって。だって、言われた方も恥ずかしいって年齢じゃないだろうし。これを言って嫌われるかもってもうそろそろ思わなくても良いんじゃないかな。

フクイ
そうだよねー。

のと
嫌わないよ、そんなことで。多少、「あなたのここが嫌なんだよね」って言っただけで嫌わないよね。本当に嫌だったら、少ーしずつ距離を置いてくれるだろうし。

フクイ
確かにそうだよね。

――今日の対談者の恋愛観を生かしたお芝居も、観てみたいですよね。

 


★1・・・モダンスイマーズにて作、演出を務める劇作家、演出家。のとえみ所属の劇団フロンティアにて上演した『まほろば』は、第53回岸田國士戯曲賞を受賞している。近年では、『母と惑星について、および自転する女たちの記録』が第20回鶴屋南北戯曲賞を受賞。モダンスイマーズは男性のみの集団であるが、女性のリアルを描くことも評価されている。

 

 

のとえみ
演劇ムーブメントえみてん
劇団フロンティア所属
自身のブログにて、県内外で観劇した舞台の感想を公開中。下北沢を中心とした小劇場が好き。エスセナさんの公演は、旗揚げ公演から定期的に観劇しており、パーソナリティを務める、劇団フロンティアのポッドキャスティング「フロラジ」にもゲストとして出演していただいたことがある。

 

フクイマサヒロ
劇団フロンティア所属
県内の「舞台」と名前がつくものに必ずと言っていいほど関わっているフットワークの持ち主。舞台やワークショップ関係者への顔の広さは県内有数。お芝居だけにとどまらずダンスもこなす。劇団フロンティアだけにとどまらず、び~めんぷろじぇくとさんや市民ミュージカル等への出演も。県内での観劇もジャンルを問わず多数。演じるならわるい人の役!心が解放されて好き、とのこと。好きな役者さんは椎名桔平さん。彼のやる役をやってみたいと思うことが多いそうですよ。


対談写真:のとえみ、フクイマサヒロ、A-cafeスタッフ様
対談編集:紋川あゆみ、のとえみ